研究内容

ナノ材料を使って光エネルギーの有効活用を目指す! 

数〜十数ナノメートルの大きさの物質は、分子や原子が数千個集まって構成されており、ナノ物質やナノ材料と呼ばれます。このナノ物質は、単独の分子・原子では示さない特異な性質を示すことがわかってきました。例えば、金(gold)はナノメートルサイズにまで小さくすると、サイズによって様々な色にみえ、中世のステンドグラスは、この「ナノサイズの金」を使って作られているそうです。

20世紀末には、シリコンなどの半導体材料もナノメートルサイズにまで小さくすると特異な性質を示すことがわかりました。半導体材料は真っ黒ですが、ナノサイズにすると、サイズによって紫から赤色に発光するようになります。

このようなナノメートルサイズにまで小さくされた半導体材料は「量子ドット」と呼ばれており、2023年のノーベル化学賞は、この量子ドットを発見した科学者が受賞しました。特に、量子ドットの光・電子機能は非常に有望で、LEDやレーザー、ディスプレイなどの発光デバイス、太陽電池、バイオイメージング、さらには量子情報通信など様々な分野に応用されており、今後の技術発展には欠かせない物質となっています。


 今後我々が豊かな生活を送るためには、光エネルギーの有効活用が必要不可欠です。光エネルギーを有効に活用するには、物質が光を吸収して生成する「励起子」を詳細に調べてうまく操る「励起子エンジニアリング」が重要です。この観点から見ても、ナノ物質は非常に優れた材料ですが、新しい材料ゆえにわかっていないこともたくさんあります。

 増尾研究室では、「様々なナノ物質を作る」「ナノ物質を並べて機能化する」「ナノ物質の光機能を調べる」「ナノ物質の光機能を制御する」ことを中心とし、光エネルギーの高度利用を目的として日々研究を行っています。

スクリーンショット 2022-02-26 12.19.57

Copyright © School of Science and technology,Kwansei Gakuin University. All Rights reserved.