研究内容

地球表層における元素の移動を理解する。

私の興味は、いろいろな無機元素が海底から大気圏までの地球表層部分の中でどのように循環しているかを把握することです。現在は、B、Mg、Ni、Cu、Zn、Sbなどの元素の物質循環に興味があります。例えば工業活動による重金属の環境中への排出量の、自然起源の重金属排出量との量比の時間変化や、地域ごとの変化などを把握したいと思っています。そのための手段として、濃度はもちろん、同位体比や化学種の分析を行います。使う試料は湖にたまった堆積物やエアロゾル、河川水や地下水などです。また、その分析を支える、元素の化学的単離法の確立やハードウェアの開発にも力を注ぎたいと思います。concept

水資源の持続的な活用や安全な飲料水の確保、地下水の流動解析による化学物質の混入源の特定などの研究テーマに取り組んでいきます。

日本はさまざまな農産物や工業材料を輸入して、それを付加価値が高いものにして輸出しています。どこからきた原料が利用されるかは、今後の環境的・人道的な観点から重要であり、科学的手法を用いてトレーサビリティの枠組みの強化を目指します。

元素について天然での同位体存在度の変動や、同位体存在度の正確な測定を行い、無機化学の基礎定数である原子量のより正確な把握を試みます。

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