無機元素同位体存在度の高精度・高確度測定

化学分野の基礎定数となっている元素の原子量ですが、原子量はどのように決定されるでしょうか?現在の原子量は、それぞれの元素の各安定同位体の原子質量と同位体存在度から計算されます。そのため、原子量の精度は元素ごとに異なっています。この同位体存在度を正確に測定する試みは、現在も計量標準に関する研究の最先端です。たとえば、地球表層での同位体存在度の変動は、原子量の不確かさに反映されます。また、同位体存在度の測定のために質量分析計から出される出力値は、試料が本来持つ同位体存在度からわずかにずれてしまうという根本的な問題があるため、これをどのように正確に補正するかが、正確な原子量を得るためには重要となります。これまでの研究で、亜鉛やニッケルの原子量に関する報告をしてきましたが、今後もいくつかの元素について天然での同位体存在度の変動や、同位体存在度の正確な測定を行い、無機化学の基礎定数である原子量のより正確な把握を試みます。これには、長半減期放射性核種の半減期の測定も含まれます。

IMGs_0004ELAN

・地球表層での重元素の同位体存在度の変動の把握

・長半減期放射性核種の半減期の決定

 

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