現代社会ではさまざまな物質が輸入・輸出されています。それに伴い、農産物の原産地や、工業材料の原産国などの情報は、フェアトレードの観点から重要であり、トレーサビリティと呼ばれます。このような仕組みは、最後の消費現場から原産地までの物流情報をたどれることで成り立ちますが、すべての物質で確立されているわけではありません。また、産地を偽り不当な利鞘を得るなど、産地偽装の問題が時々発生しています。これらの問題に対処するために、重元素同位体をもちいた産地判定の方法の確立を行っています。日本はさまざまな農産物や工業材料を輸入して、それを付加価値が高いものにして輸出しています。どこからきた原料が利用されるかは、今後の環境的・人道的な観点から重要であり、科学的手法を用いてトレーサビリティの枠組みの強化を目指します。